矯正専門医ブログ

矯正治療でおきる歯茎のトラブルは??対策があれば怖くない!

:2020年8月9日 :2020年5月22日

日本矯正歯科学会認定医 歯学博士
増田 丈浩


矯正治療で歯茎のトラブルはある?

矯正治療をする上で歯茎のトラブルがおきることがあります。

ではどんなトラブルがあるでしょうか?

よくあるのが

歯茎が腫れた、血が出る

歯茎の辺りが凍みる

歯茎が下がった

などになります。

トラブルが起きても対策があれば安心でしょう。

歯茎に関連するトラブルを今回はまとめてあります。

1.矯正治療してから歯茎が出血する



矯正装置がつくと歯磨きがしにくくなります。

それによって汚れが溜まります。

汚れが溜まるとどうなるでしょうか?

歯の周りにプラークが溜まり、歯茎に炎症が起きてしまいます。

炎症が起きると触るだけで出血してきます。

これが出血する原因です。


出血の対策

出血の対策はなんといっても歯ブラシになります。

歯ブラシがしっかり出来ていれば出血はしません。

ただし歯ブラシには大事なことが2つあります。

磨く時間と磨き方になります。

この2つが高いレベルになるとトラブルもなくなるでしょう。

またもう1つの解決策としてワイヤー矯正ではなく、マウスピース矯正を選択すると言う事になります。

ワイヤー矯正はどうしても歯ブラシがしにくくなりますが、マウスピース矯正であれば装置も取り外し可能で歯ブラシもしやすいです。


《関連情報》マウスピース矯正とワイヤー矯正の違いは?


また、ワイヤー矯正には表側矯正と裏側矯正があり、それぞれ特徴が違います。

裏側矯正は歯ブラシは少ししにくくなります。


《関連情報》マウスピース矯正と裏側矯正の違い|どっちを選べばいい?

2.矯正治療によって歯茎が腫れて痛い



歯茎が腫れて痛い場合はどうでしょうか?

出血する場合と同じく、原因は歯茎の周りの汚れになります。

ただし少し違うのは歯茎からの出血を放置しておくと、歯茎が腫れてくるということです。

つまり出血を放置すると歯茎が腫れてくるということです。

まず前提として大事なのが矯正治療を始める前に歯周病があるか確認する事になります。

そのため歯周病検査は必須になります。

検査で歯周病がある場合はまず歯周病の治療からになります。

歯茎の腫れ、痛みの対策

まずは歯ブラシが大事になってきます。

ただし先ほどと違うのが出血から進行している可能性があるということです。

そのため歯ブラシを頑張りながら歯茎の中に歯石が付いていればそちらをとっていきます。

急性症状があり、痛い場合は抗生剤を投薬し、腫れを落ち着かせていきます。

先ほども述べましたが、矯正を始める前に歯周病検査を必ずします。

歯周病がある状態で歯を動かしていくと、炎症が広がってしまうからです。

そのため歯周病検査で歯周病がある人は、まず歯ブラシをしっかりしてもらい、さらには歯石をとっていく必要があります。

状態が良くなってから矯正治療がスタートになります。

 

3.矯正治療してから歯茎の辺りが凍みる(知覚過敏)




矯正によって歯が凍みる原因は大きく分けて2つになります。

1つ目は矯正治療をするとだんだんきれいに歯が並んできます。

そうすると最初は重なり合っていた歯もきれいに並びます。

重なっていた時は歯茎が盛り上がっていたのですが、きれいに並んでくると歯と歯の間の隙間が大きくなります。

図で示します。



上図のようにもともと重なり合って腫れていた歯茎が下がってしまうのです。

そうすると今まで歯茎で覆われていたところが、空気に晒されるので凍みてしまうのです。

ただしこの歯茎が下がるのは異常ではなく正常ですので心配は入りません。

2つ目は矯正装置がつくとどうしても歯ブラシがしにくくなります。

そうするとプラークといって汚れが溜まるのですが、汚れが溜まるとバイ菌が酸を出します。

酸が出ると歯が溶けますので、余計に凍みてしまいます。

歯茎の辺りが凍みる時の対策

まずは歯ブラシが大事になってきます。

先ほどもお伝えしたように汚れが溜まると、バイ菌が酸を出して歯を溶かしてしまいます。

歯ブラシでしっかり汚れをとっていけば治る可能性もあります。

またきれいに並んだために歯茎が下がってしまった場合は時間が解決します。

段々と今まで外気に当たっていたなかった歯も慣れてきます。

またどちらが原因でも歯科医院で知覚過敏用のお薬はありますので、医院で塗布することも効果があります。

知覚過敏用の歯磨き粉も使用すると、ある程度は効果が出ますので購入してみても良いでしょう。

3.矯正治療してから歯茎が下がった(歯肉退縮)



矯正治療をすると歯茎が下がることがあります。

何故でしょうか?

この理由は先ほど少しお伝えしたように、歯の重なりがある場合に起きることがあります。

重なっている間は、歯と歯の間に隙間がないので気づかないですが、きれいに並んでくると隙間ができます。

もともと歯周病で骨が下がってしまっている人は、隙間ができると歯茎で覆われず下がったように感じてしまうのです。

歯茎が下がった時(ブラックトライアングル)の対策

では下がってしまった場合はどうすればよいのでしょうか?

歯茎が下がってしまい、隙間が空いてしまうことをブラックトライアングルと言います。

このブラックトライアングルを解決する方法として、歯と歯の間を削ることが有効です。

言葉ではわかりにくいので図で示します。

上図のように間に隙間が空いており、実際の口の中で見ると黒く見えてしまうことがあります。


上図はどうでしょうか?

先ほどより隙間がなくなっていますよね。

これは歯と歯の間をわずかに削り、接触面積を大きくしたのです。

歯と歯の間を削る量はほんのわずかですし、痛みもありませんのでご安心ください。


《関連情報》矯正治療で歯を削るストリッピングのメリットデメリットは?


この歯をわずかに削る方法によりブラックトライアングルをある程度解消できます。

ただし歯茎が下がってしまうのは、歯周病で骨がなくなってしまっているからです。

もし歯周病で骨が減っていなければほとんど下がることはありません。

そのため、今までの矯正前の積み重ねや矯正治療中も含めて、しっかり歯ブラシをしていくことは非常に大事です。

3.歯茎にネジ(スクリュー)を入れたら腫れて痛い


矯正治療でインプラント矯正といってアンカースクリュー(ネジ)を使用することがあります。

この部分も歯ブラシをしっかりして汚れを取らないと歯茎が腫れて、痛みが出ることがあります。

多いのが埋入した直後はほとんど症状はありません。

半年など時間が経ってからスクリュー(ネジ)の部分が腫れて痛いことが稀にあります。

ネジ(スクリュー)が腫れた時の対策

ネジ(スクリュー)の部分は歯と違う場所にあるため歯磨きを忘れたり、しにくい場所が多いです。

上図の場合は口蓋に埋入しています。

歯ブラシがしにくいため汚れがつきやすいですが意識して磨くようにすることが大事です。

またネジ(スクリュー)の部分を磨く際に、違うところを磨いてしまい傷になってしまうこともあります。

その時は柔らかい歯ブラシを使って、周りの歯茎を傷つけないようにしましょう。

腫れて痛みがある時は、歯科医院でネジ(スクリュー)の周りをきれいに掃除したり消毒します。

また抗生剤も投与します。

腫れて稀にネジ(スクリュー)が脱落することがありますが、再度埋入しなおせばいいので心配はいりません。


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まとめ

矯正治療をする上で歯茎のトラブルは出る可能性があります。

どの対策でもそうですが装置がつくと歯ブラシがしにくくなります。

これによって様々なトラブルが出てしまうのでしっかり歯ブラシをするようにしましょう。

また矯正治療をする前に歯周病検査をして、歯周病があれば治療をしてから矯正治療スタートするのが非常に大事になります。

また矯正治療中には様々なリスクがありますので興味ある方は以下を参考にしてください。


《関連情報》矯正治療のリスクと対策



最後までご覧頂きありがとうございました。


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日本矯正歯科学会認定医 歯学博士


増田 丈浩