矯正専門医ブログ

歯列矯正って痛いの?痛みは対処できれば怖くない!

:2020年8月14日 :2020年2月12日

日本矯正歯科学会認定医 歯学博士
増田 丈浩


矯正治療は痛いって本当?
矯正歯科治療をすると少なからず痛みがあります。

「どれくらい痛いの?」

「痛み止めって飲んでも大丈夫?」

色々な悩みがあります。

矯正治療の痛みについてお話ししていきます。

1.矯正治療の痛みの原因


痛みといっても実は様々な痛みがあります。

まずはどんな痛みがあるか順に説明していきますね。

歯が動く痛み

矯正歯科治療をすると当たり前ですが歯が動きます。

まず歯が動くことによって痛みが生じます。

この痛みは動き出しが一番痛いです。

ただし時間が経つに従って痛みがだんだん治ってきます。

装置が当たる時の痛み

つけている矯正装置が当たって痛い時もあります。


例えばワイヤーが少し飛び出していて痛かったり、器具が飛び出しているところが痛いなどがあります。

起きる場所は頬や歯肉、舌が多く、装置が当たると口内炎になることもあります。

装置には裏側矯正と表側矯正、マウスピース矯正があります。

それぞれ痛みの場所も変わってきます。

下記を参考にしてください。


《関連情報》マウスピース矯正と裏側矯正の違い|どっちを選べばいい?

食事の時の痛み

矯正歯科治療中は歯が動いているためご飯が食べにくいです。

特に調整した数日間はご飯を食べる際に痛いこともあります。

痛くなりやすい食べ物としてフランスパン、ステーキ、りんごなど硬い食べ物は、調整してすぐはあまり食べない方が良いです。

歯茎の痛み

ワイヤーの矯正治療をすると器具が付きます。

そのため歯ブラシがしにくくなり、汚れがつきやすい状況になります。

これにより、歯茎が腫れて痛みが出てしまうことがあります。

こちらは間接的な痛みの原因のため、詳しい情報は下記をご参考ください。


《関連情報》矯正治療でおきる歯茎のトラブルは??対策があれば怖くない!

2.歯が動く痛みの対処法、弱める方法



痛みだけの理由で『矯正治療をしない』と選択するのはもったいないです。

それぞれどう対処すればいいのでしょうか。

歯が動く痛みはなくすことはできませんが軽減することはできます。

どうするのでしょうか?

歯にかける力が強いほど歯は痛いです。

そのため矯正力を弱くするのです。

ワイヤー矯正の場合

ワイヤー矯正であればすぐに太いワイヤーを入れるのではなく、できる限り細いワイヤーを入れます。

それによって歯にかかる負担も減るので痛みも減ります。

また力が弱いので歯根吸収といったリスクも減らせます。


《関連情報》矯正歯科治療のリスク、デメリット

マウスピース矯正(インビザライン)の場合

マウスピース矯正であれば、1度に動かす量は少ないため痛みは少ないです。

さらに歯を動かす設計の際も、無理のない計画や移動量で設計すると、マウスピース矯正(インビザライン)の痛みもある程度コントロールできます。

また加速矯正装置のオーソパルスというものがあるのですが、これを使用するとさらに痛みが減少します。

それぞれ特徴があるので理解しておいた方が良いです。


《関連情報》マウスピース矯正とワイヤー矯正の違いは?

3.矯正装置が当たって痛い時の対処法


矯正装置が入るとデコボコして、それが頬や舌に当たると痛い時があります。

このような時はどうすればいいでしょうか?

装置を中に入れれることができるのであれば、矯正歯科で調整してもらいます。

装置に異常がない場合はどうすればいいでしょうか。

その時は当たって痛い部分に透明のワックスを使用します。


部分的に切って簡単に丸めることができます。



丸めたものを痛い部分に置けば痛みがなくなります。

またこのワックスは無害ですので飲み込んでも大丈夫です。

4.食事の時の痛みの対処法



どうしても矯正歯科治療を行うと硬いものが食べにくくなります。

そのため柔らかい物を食べると痛みが起きにくいです。

卵料理
スクランブルエッグやオムレツなどはあまり噛まなくても食べれます。

豆腐料理
豆腐は基本柔らかいので負担も少ないです。

また種類も豊富で冷奴や麻婆豆腐など様々あります

麺類
ラーメンやうどんは柔らかいため食べやすいです。

また少し長めにお湯につけると柔らかくなるのでよりベターです。

煮物料理
野菜や魚など煮物にすれば柔らかくなり食べやすくなります。

ハンバーグなどのひき肉料理
ステーキは硬くて痛いですが挽肉は柔らかいので食べやすいです。

色々工夫すれば様々なものが食べれますのでご安心ください。


5.ワイヤー矯正で生じやすい痛み




歯が動く痛み

ワイヤー矯正で起こりやすい痛みは、なんといっても歯が動く痛みになります。

初日がピークで2〜3日してくると、落ち着いてくるとこが多いです。

矯正治療が進んでくると動く量も減るので、痛みも徐々に減ってきます。

前歯がガタガタの人は最初は前歯が動く量が多いため、前歯が痛いことが多いです。

ワイヤーが出てきて痛い時の対処法


上の図でもそうですがワイヤーが曲がって入っています。

これが段々真っ直ぐになるのですが、そうするとどうなるでしょうか?

波打っている糸を想像してください。

この波打っている糸が真っ直ぐ伸びると長さが長くなります。

ワイヤーも同じで綺麗に並んでくると長くなり、ワイヤーが後ろから伸びてきます。

そうすると頬に当たって痛くなることがあるので、奥のワイヤーを切る必要があります。

その際は矯正歯科に連絡しましょう。

奥のワイヤーが伸びてくる

ワイヤー矯正は結紮線といって細い針金を使用します。

この針金が歯ブラシや食べ物を食べることによって飛び出てくることがあります。



飛び出て痛い時は細いマイナスドライバーのようなものを使用して、自分で針金を中に入れてください。

もしこれでも痛みが取れなければ矯正歯科医院に連絡しましょう。


矯正装置が当たって痛い時の対処法


ワイヤー矯正はデコボコしているため頬や舌に当たって痛いことがあります。

その時は先ほどお伝えした透明なワックスを使用しましょう。

ワックスを痛い箇所に当てがうと痛みが取れます。

使用するときの注意事項として唾液が付いているとくっつきにくいため、ティッシュなどで拭いてから使用しましょう。

6.マウスピース矯正『インビザライン』の痛み



マウスピース矯正(インビザライン)では、少し痛みの種類が変わるところもあります。

順番にお話しします。


歯が動く痛み

マウスピース矯正(インビザライン)は、ワイヤー矯正よりは痛みが少ないと言われています。

痛みが少ない理由を考えていきましょう。

歯が動く量が少ない
ワイヤー矯正と違ってマウスピース矯正(インビザライン)は、1枚で0.25mmしか動きません。

そのため痛みが少ないです。

マウスピース自体が歯を守っている
全ての歯をマウスピースで覆っているため、動かしている歯が噛んでも当たりません。

そのため噛んだ痛みから守る効果があります。

ただ2〜3日は違和感があるでしょう。

痛みが少なくても、マウスピース矯正はいまいち信じられない、という人も実際多いです。

そのような方はマウスピース矯正の効果についてまとめてあるので下記をご参考ください。


《関連情報》インビザラインは効果がある?ない?|疑問に答えます!

 

マウスピースを装着した時


マウスピースを装着するときつく、締め付けられるため痛い場合があります。

ただし段々キレイに並んでくると、装着がしやすくなってくるため痛みも減少します。

そのためワイヤー矯正もそうですが最初が一番大変です。

マウスピースを外す時


マウスピースを外す時も痛みを生じます。

特に歯にアタッチメントといった突起物が付いていると外しにくいため引っかかり違和感が出ます。


《関連情報》インビザラインのアタッチメントって目立つ?痛い?

マウスピースが歯肉や舌に当たって痛い

マウスピースは納品時確認しますが、どうしても少し尖っていたりする場合があります。

そうするとそこに歯肉や舌が当たって痛い場合があります。

その際はヤスリで磨いてあげると痛みが取れます。

あまり磨きすぎると変形の原因にもなるので、不安であれば矯正歯科医院で見てもらいましょう。

ゴムをかけた時に痛い


ワイヤー矯正もそうですがマウスピース矯正(インビザライン)は、ゴムを使用する場合があります。

ゴムを使用すると歯が引っ張られるため痛みを伴うことがあります。

また頬がゴムですれて最初痛いこともあります。

ただ基本的には痛みは落ち着いてきますのでご安心ください。

《関連情報》矯正歯科治療で使用するゴムの疑問は全て解決!

7.子供の矯正治療の痛みと対処法



子供の矯正治療は、大人の矯正より痛みは少ないと言われています。

動かす歯が限定的であったり、また適応能力が高いからです。

また、使う装置も大人と違い、子供は少し特殊になります。


《関連情報》子供の矯正|装置の種類は大きく分けて3種類あります!


ではどのような時に子供の矯正で痛みが出るのでしょうか?

子供と大人では変わってきます。


《関連情報》子供の矯正と大人の矯正の違いは何?|疑問をまとめました

固定装置のワイヤーが当たって痛い



ワイヤーが歯肉に食い込んだり舌に当たったりして痛い場合があります。

その際は矯正歯科医院に連絡してください。

自分でペンチなどで器具を調整するのは絶対にやめましょう。

また一時的に痛い部位に、透明のワックスを置いて痛みを凌ぐのは問題ないです。

マウスピース、床矯正装置が当たって痛い


取り外しのできる矯正装置が当たって痛いことも、少ないですがあります。

その際は矯正歯科医院で当たっているところを、削るようにします。

頻度は少ないです。

最近はマウスピース矯正が子供の治療で使われることも増えています。

痛みに関しては出にくいとは思います。


《関連情報》インビザラインで子供の矯正はできる??

額外固定装置での痛み



顎外固定装置で痛みが出る場合も少ないですが奥歯を引っ張ったりする際は歯が痛いことがあります。

ただしほとんどの子供が慣れていきますのであまり心配いらないです。


《関連情報》子供の矯正治療について|疑問にお答えします

 

8.いつから痛いの?いつまで痛い?



やはり矯正の調整をした初日が、一番痛みを感じることが多いです。

その後だんだん痛みは減ってきます。

2〜3日程度痛みや違和感を覚える人が多く、1週間経てば落ち着くことがほとんどです。

歯が動くのは矯正治療を始めた日が一番あります。

終わりに向かうにつれ慣れてもきますし、動く量も一定になってきます。

そのため最初さえ乗り越えれば、痛みに関しては問題ないでしょう。

ただし日にちが経過しても、調整する日は人によっては痛みがしばらく続きます。

矯正治療期間についてはおおよそ2〜3年と言われています。


《関連情報》矯正治療の期間はどれくらい?


また矯正治療期間を短くすることによって痛い期間を短くする方法もあります。


《関連情報》矯正を短期間に早く終わらせる方法とは!?

 

9.カロナールなどの痛み止め、鎮痛剤の薬は効かない?



市販薬に鎮痛剤としてロキソニンやイブ、カロナール、バファリンなど様々あります。

鎮痛剤は矯正の痛みに効くのでしょうか?

実は矯正の痛みにも効果があります。

もしどうしても我慢できない場合は痛み止めは飲んでも大丈夫です。

鎮痛剤を飲むことによって歯の動きに影響が出るというデータもあるようですが痛くて我慢できない方が問題です。

そのため痛くて我慢できない時は痛み止めを飲んで頂いて構わないです。

ただし痛み止めを飲むほど痛いことは当院では経験がありません。

10.矯正で痛いときは冷やすと効果がある?



矯正で痛みが出た際は、冷やすことによって実は多少効果があります。

なぜでしょうか?

実は矯正治療で使用するニッケルチタンワイヤーは冷やすと力が弱まります。

そのため、ニッケルチタンワイヤーを使用している場合は、口の中を冷やすと力が減少するので痛みが軽減する可能性があります。

ただし、ニッケルチタンワイヤーを使用しないインビザラインでは効果はないです。

まとめ

矯正治療で発生する、ほぼ全ての痛みをまとめました。

痛みはもちろん嫌なものですが、原因や対処法を知っていれば落ち着いて対処できます。

痛みが出た場合、自分で対処できるものは自分で対処しても大丈夫です。

ただし、出来ないものを無理にすると治療に影響出ますので、不安があれば矯正歯科医院に連絡しましょう。

また、痛みが原因で矯正治療を中断する人は当院でもいませんし、周りでも聞いたことはありません。

そのため、過度に不安がらずに、矯正歯科治療を初めて見ても良いと思います。

始めてみたら『なんだ、この程度か』と拍子抜けするかもしれません。

矯正治療は、ある程度痛みを伴いますが、矯正することによって得られる様々な効果があります。


どの様な効果があるか知っておくと、矯正のモチベーションも上がるでしょう。


《関連情報》矯正治療の効果について|見た目だけではなく様々な効果があります!

 

最後までご覧頂きありがとうございました。


名古屋で矯正治療のお悩みがあれば無料矯正相談も受け付けています。


なんでもご相談ください。


日本矯正歯科学会認定医 歯学博士


増田 丈浩