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歯列矯正で使用するゴムってどんなもの?

2020年2月10日

日本矯正歯科学会認定医 歯学博士
増田 丈浩


矯正治療中にゴムを使用すること知っていますか?
矯正歯科治療ではゴムを使用することがあります。

皆さん知っていましたか?

またゴムにも様々な種類があります。

こちらのゴムにも色々皆さん疑問があると思いますので順番に答えていきますね。


1.矯正で使用するゴムの種類

ゴムには矯正歯科医院で先生がつけるゴムと患者さん自身が使用するゴムがあります。

順を追って説明します。

青いゴム(セパレーティングモジュール)


こちらは歯と歯の隙間を作るためのものです。

矯正歯科医院の先生がつけるものになります。

主な利用方法として奥歯にはワイヤー矯正の場合、金属バンドを巻きます。



この理由としては奥歯は噛む力が強いため装置が取れやすいので脱離しないようにするためです。

ただしこの金属バンドを入れる際に隙間が必要です。

そのためこの青いゴムを使用して隙間を作ってから金属バンドを入れる流れになります。

こちらはインビザラインでは使用しません。

パワーチェーン


これは歯の隙間を閉じるためのゴムになります。

こちらも矯正歯科医院でつけてもらうゴムになります。

ワイヤー矯正で使用するものでゴムの力を利用し、歯と歯の引っ張り合いをするものになります。

こちらはインビザラインでは基本的には使用しません。

 

顎間ゴム


こちらはあなた自身で取り外しするものになります。

そのため効果が出るも出ないも自分次第といったものになります。

こちらはインビザライン、ワイヤー矯正どちらでも使用します。

また子供の矯正で装置からゴムをかける場合もあります。

矯正歯科治療にはこの3種類のゴムがあるのはわかってもらえたでしょうか。


2.ゴムの黄ばみ、変色について


ゴムは使用するとだんだん劣化していきます。

そのため普通に生活していてもだんだん色が変色していきます。

また矯正装置はでこぼこしているため汚れがつきやすいです。

そうするとゴムの着色も起こりやすくなってしまいます。

また特に食事に左右されます。

着色が強い食べ物、カレー、ミートスパゲティ、デミグラスソース、イカ墨などです。

飲み物ですとコーヒー、紅茶、赤ワインなどです。

イメージつきやすいですよね。

タバコもゴムではないですが歯に着色するので注意が必要です。

3.ゴムの黄ばみの落とし方はあるの?

ゴムが黄色く変色しても落とせば良いと考えるかもしれません。

実は変色してしまったゴムの色は元に戻ることはないのです。

そのためなるべく色が変わらないように生活することが大事になります。

例えば着色がつきやすい食べ物、飲み物を控えることが一番有効になります。

ただし中々全てを我慢するのは大変ですよね。

そのような場合は着色しやすいものを食べた後にすぐに水でうがいするのも少しは効果があります。

ゴムに着色系の物が触れている時間が長いほど変色しますのですぐに歯磨きをするのが理想になります。

また飲み物に関しては普通に飲むとはの表面を通って喉に入るので着色してしまいます。

そのためストローを使用すると触れにくくなります。

そうすると見た目をある程度保つことができますので試して見てくださいね。

4.顎間ゴムの目的


顎間ゴムは自分で取り外しを行うゴムですがこれには何種類かの目的があります。

顎間ゴムはインビザライン でもワイヤー矯正でも使用します。

出っ歯の矯正に使用する顎間ゴム

出っ歯の矯正に使用するゴムをⅡ級ゴムといいます。

どういうものかというと下の図のように下の奥歯と上の前歯にゴムを引っ掛けます。



これをかけることによって上の前歯は中に入ろうとします。

一方下の奥歯は前に行こうとするため出っ歯が治る方向に歯が移動するのです。

受け口の矯正で使用する顎間ゴム


受け口の矯正歯科治療で使用するゴムのことをⅢ級ゴムと言います。

これは出っ歯の場合と反対にかけます。

つまり上の奥歯と下の前歯に顎間ゴムを引っ掛けます。

これにより下の前歯が中に入って上の奥歯が前にくるので受け口が治るのです。


開咬の矯正で使用する顎間ゴム


開咬とは前歯が噛んでいない状態です。

その時に上下の前歯にゴムを引っ掛けて前歯が噛むようにします。

最終段階で使用する顎間ゴム

矯正装置を外す前に噛んでないところがあると顎間ゴムを使用することはあります。

これによってより緊密に噛ませて行きます。

しっかり噛ませることによって後戻りする可能性も減ります。

  《関連情報》歯並びが後戻りした!どうすればいいの?

他にもクロスゴムなど状況に応じてゴムを使用して矯正歯科治療を行います。

5.顎間ゴムの使用期間


こちらは矯正歯科医院の先生によって変わってきます。

ただし出っ歯で抜歯をする場合であれば基本的には前歯が中に入る期間は使用します。

なぜでしょうか?

ゴムを使用しないと前歯が中に入らず奥歯が前に来てしまうからです。

そうすると出っ歯が治らなかったり口元の改善があまりできなくなってしまいます。

もしこの顎間ゴムをどうしても使用したくない場合はインプラント矯正をすれば使用の必要がなくなります。

  《関連情報》なぜインプラント矯正はメリットだらけの治療法なのか!?

受け口の顎間ゴムの使用期間も同様で前歯の噛み合わせが治るまでは使用する可能性が高いです。

ただし治療方法によって違いますので矯正歯科医院の先生によく確認しましょう。

6.顎間ゴムの使用時間


ゴムの使用時間は治療計画によって違います。

日中使用する場合もあれば夜のみ使用する場合もあります。

前歯で使用する場合は目立つ事もあって夜間のみの使用にする場合もあります。

こちらは矯正歯科の先生の指示に従うようにしてください。

言われた時間を守らないと効果が出ません。

7.痛み


痛みに関してはゴムの強さにもよりますが矯正治療する際、毎月調整する痛み程度です。

顎間ゴムやパワーチェーンはそこまで気になることはありません。

ただし青いゴム(セパレーティングモジュール)の場合は痛みはあります。


なぜでしょうか?

この青いゴムを使用するときは初めて矯正の力をかけることが多いです。

そのため痛みが出やすいのです。

   《 関連情報》矯正歯科治療の痛みを全てまとめました。対処法もあります!


8.ゴムは2重で使用した方がいいの?

ゴムを2重で使用するとゴムの力は強くなります。

ただしゴムは強ければいいというものではありません。

適正な力があり、あまり強すぎる力をかけても意味がありません。

また顎の負担も大きくなり、顎が疲れたり場合によっては顎が痛くなる可能性もあります。

そのため先生の指示で2重でかけるのであれば良いですが自分の判断で2重にすることはしないようにしましょう。

  《関連情報》矯正歯科治療で顎関節症にならないようにするためには!

9.ゴムが取れた、切れた時の対処法

顎間ゴムは取れたり、切れたりしたら自分で新しくつければいいので問題ありません。

ではパワーチェーン、青いゴムの場合はどうでしょうか。


パワーチェーンが取れた、切れた


パワーチェーンが取れてしまうと矯正力がなくなってしまいます。

そのため次の矯正治療まで矯正力がかかりません。

そのためもうすぐ治療日であればそのままでも良い可能性があります。

ただし矯正治療日がまだ先であれば矯正歯科医院に連絡して早めの予約を取りましょう。

後戻りしてしまう可能性もあります。

青いゴム(セパレーティングモジュール)が取れた

青いゴムが取れたときはどうでしょうか?

まず青いゴムの目的を思い出してみましょう。

これは金属バンドを入れるために歯と歯の間の隙間を作るためのものです。

そのため青いゴムを入れることによって歯の間が広がってくると自然に取れてしまいます。

そのため取れたということは歯の間が広がった証拠なのです。

矯正治療日がすぐなのであれば問題ありません。

もしまだ治療日まで1週間以上あるのであれば矯正歯科医院に連絡して指示を受けましょう。

10.ゴムを飲み込んでしまった


ゴムは小さいのでご飯中に外れてしまい飲み込んでしまった人もいるかもしれません。

しかし心配することはありません。

ゴムは体内に入っても基本ガムみたいなもので無害です。

時間が経てば自然に排泄されるので問題ありません。

11.食事中はゴムはどうするの?


食事中もゴムはかけたままでもいいです。

ただし食べにくいと思うので基本的にゴムは外して食べるようにします。

もし簡単な軽食で外すのが面倒であればそのまま食べてもらっても大丈夫です。

食事でゴムを外したら交換するなどして1日に最低1回は交換するようにしてください。


12.ゴムをサボると…


ゴムをサボるとどうなるのでしょうか。

矯正歯科治療で設定しているゴールにたどり着けない可能性があります。

出っ歯でゴムをサボると…

出っ歯での主なゴムの役割は上の前歯を中に入れる際に奥歯が動かないようにするためです。

反作用を消すためにゴムを使用するためゴムが使用できないと反作用がそのまま奥歯にかかります。

そうすると出っ歯を治すための隙間を奥歯が前に来てしまうことにも使用するので出っ歯が治りきらない可能性があります。

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受け口でゴムをサボると…

受け口でのゴムの役割は上の前歯を前に出すことになります。

そのためサボると矯正歯科治療の期間が長くなったり最悪前歯の噛み合わせが悪いままになります。

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開咬でゴムをサボると…

開咬でのゴムは特に重要です。

前歯を最終的に咬ませる際にどうしてもゴムの協力が必要になります。

そのため協力的でないと矯正歯科治療の期間が長くなったり前歯が咬まない状態で矯正治療が終了になってしまいます。

ゴムの使用は大事なので必ず使用するようにしましょう。

13.ゴムのかけ方、やり方のコツは?



ゴムを初めてかける場合最初は難しいです。

ではゴムのかけ方のコツはあるのでしょうか。


手鏡を持ち歩いて鏡を見てゴムをかける

まずはどこにゴムをかけるのかわかっていないとできません。

鏡で引っ掛ける場所をよく見て場所を覚えましょう。

手の感覚と場所が一致するようになってくるとできるようになってきます。

上からかけるのがやりやすいか、下からか、どちらも試してみる

場所によって上か下かでやりやすさが変わってきます。

こっちからと決めつけずにどちらも試してみてやりやすい方を見つけましょう。

外出先でスムーズに付けられるように家で何度も練習する

やはり練習は必要になります。

ですが初め難しかったものも慣れてくると簡単に付けれるようになります。

最初が一番難しいので諦めずに頑張って練習しましょう。


慣れも必要ですが、どうしても難しい場合は矯正歯科医院にご相談くださいね。

場所が覚えられない場合はゴムをかけた状態の写真を撮影し、医院でもらうと良いでしょう。

まとめ

ゴムは矯正歯科治療にとって非常に大事になります。

ゴムを矯正歯科医院の指示通りに使用しないと治療期間が長くなったり治療ゴールが達成できない場合もあります。

そのため必ず忘れずに使用するようにしましょう

矯正治療を成功させる上で非常に大事なポイントになります。

またゴムが切れたり取れてしまった場合は歯科医院に連絡するようにしましょう。


最後までご覧頂きありがとうございました。


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なんでもご相談ください。


日本矯正歯科学会認定医 歯学博士


増田 丈浩

 

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