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子供の矯正と大人の矯正の違いは何?|疑問をまとめました

:2020年8月9日 :2020年6月17日

日本矯正歯科学会認定医 歯学博士
増田 丈浩


子供の矯正と大人の矯正について


矯正治療は始める時期によって使う装置や、治療方針が変わってきます。

子供の時からするのか、大人になってからするのかで、全く別の治療方針になります。

「早くから矯正治療をして方がいいの?」

「痛いなら子供がかわいそう」

など色々な話を聞きます。

子供の矯正と大人の矯正、それぞれどんな特徴があるか説明していきます。


1.大人の矯正ではできない子供の矯正のメリットとは?



大人の矯正治療ではできない、子供の矯正治療の特徴はなんでしょうか?

子供の時にしか使えない装置が、実はたくさんあります。


《関連情報》子供の矯正|装置の種類は大きく分けて3種類あります!


順番に説明していきます。


成長を利用できる

最大のメリットは成長を利用できることにあります。

出っ歯であれば下顎を前に成長させたり、もしくは上顎の成長を抑制することができます。


《関連情報》子供の出っ歯の矯正治療について|疑問が全て解決します

受け口であれば下顎の成長を抑制したり、上顎の成長を促進させることが可能です。

これが最大のメリットになります。

抜歯の可能性が減る

成長が利用できると前後的な不調和がなくなります。

それによって、抜歯せずに矯正治療を行うことができる可能性が高くなります。

出っ歯のままであれば、抜歯をしなくてはいけないですからね。

横顔がきれいになる

骨格的な不調和が改善されるため、横顔もきれいになります。

出っ歯であれば、上顎と下顎のバランスが良くなるため、Eラインで見てもきれいになります。

受け口であれば、下顎が出ている印象がだいぶなくなります。


《関連情報》矯正でEラインや唇が変化するって本当?

 

顎の歪みを抑制できる

歯が変な方向から生えてくると、その歯並びのせいで、顎が歪んでしまうことがあります。

早期に顎の歪みを発見できれば、その悪い歯並びを治すことによって、顎の歪みを正すことができます。

以上のように様々なメリットがあります。

ただし、現実に成功していない患者さんもいらっしゃいます。

なので、失敗しないためにも矯正歯科の選択は非常に大事です。


《関連情報》子供の矯正で失敗しないためには|後悔しない選び方

 

2.子供の矯正をせずに大人の矯正から始めると・・・



子供の矯正をせずに大人の矯正から始めるとどんなことが起こるでしょうか?

こちらも順番に説明していきます。

成長を利用できないため抜歯の可能性が高くなる

子供であれば成長を利用でき、根本から歯並びの原因を改善できます。

しかし、大人の場合、骨格的な不調和が改善できないため、出っ歯であれば抜歯の可能性が高くなります。


《関連情報》矯正治療の抜歯について|疑問をまとめました

受け口の場合、外科矯正が必要な場合がある

受け口の場合、子供の時から放置しておくと、どんどん下顎が前に成長していきます。

それに伴い、矯正単独で治療するのが難しくなります。

場合によっては外科手術を行い、下顎を後方に移動させて噛ませる外科矯正が必要な場合もあります。

横顔は子供の時に比べるときれいにならない

大人でも矯正治療をすれば、横顔はきれいになります。

ただし、出っ歯特有の「下の顎がない」や受け口特有の「下顎が出ている」は改善できません。

大人の矯正では、抜歯などをすることによって口元が中に入ります。

それに伴い、唇は中に入るため、きれいになります。

 

矯正の治療期間は短くなる

子供の時から始めると治療期間は長くなります。

子供の治療期間は長いですが、始めるタイミングによってある程度期間は変わってきます。


《関連情報》子供の矯正は何歳から?小児矯正のタイミングをまとめました


大人の時から始めると、矯正の期間は短くなります。

大人の矯正は大体2〜3年と言われています。

ワイヤー矯正やマウスピース矯正などありますが、装置によって期間はほとんど変わりません。


《関連情報》矯正治療の期間はどれくらい?子供と大人で期間は違うの?


この期間については次に詳しくお話しします。

 

3.子供の矯正と大人の矯正の期間の違いについて



子供の矯正治療と大人の矯正治療の期間について説明します。

子供の時の治療を1期治療、大人の時の治療を2期治療と呼びます。

図で示します。


図のように子供の矯正治療(1期治療)が12歳ぐらいまで、大人の矯正治療(2期治療)が12歳くらいから開始になります。

もし、子供の矯正治療を8歳から始めたら、子供の矯正治療を4年、大人の矯正治療を2〜3年のイメージになります。

大人の矯正治療が終わったら、後戻りを防ぐ保定期間になります。


《関連情報》矯正治療後の保定装置(リテーナー)の悩みが全てわかる!


子供の矯正治療の始めるタイミングは、症例によって変わってきます。

受け口の場合は早い方がいいでしょう。

始める時期など、詳しいことは下記を参考にしてください。


《関連情報》子供の矯正治療について|疑問にお答えします


そのため、子供の時から矯正治療を始めると、治療期間としては長くなります。

4.子供と大人で痛みは違う?



矯正治療をする上で、痛みはある程度伴います。

大人と子供で痛みの程度は違うのでしょうか?

一般的には子供の方が痛みが少ないと言われています。

特に、1期治療で使用する装置は、ワイヤー矯正などと比べて痛みが少ないです。

また、1期治療が終わり、2期治療になってワイヤー矯正や、マウスピース矯正をするとしても大人になってから矯正をするより、痛いは少ないでしょう。


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マウスピース矯正はいまいち信じられない、という人も実際多いです。

そのような方は、マウスピース矯正の効果についてまとめてあるので、下記をご参考ください。


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子供の方が痛みが少ない原因は、子供の方が骨が柔らかく、歯が動かしやすいことも理由の1つでしょう。

あとは、子供の方が適応能力も高いことも痛みを感じにくい要因です。


《関連情報》歯列矯正って痛いの?痛みは対処できれば怖くない!

 

5.費用の違い



矯正治療は自費治療のため、それぞれ医院ごとに費用が異なります。

ですが、大体どこの医院も、子供の矯正費用(1期治療+2期治療)と大人の矯正費用はそこまで変わりません。

子供の矯正費用の方が少し高いですが、金額差は10万円以内のことが多いです。

これは子供の矯正治療の方が期間が長くなるため、若干高くなります。

 

《関連情報》子供の矯正の費用はいくら?|小児矯正でかかる費用をまとめました!


子供の矯正費用は、1期治療と2期治療それぞれ費用が発生することが多いです。

おおよそ大人の矯正費用の半分くらいが多いです。

例えば、大人の矯正が80万円なら、子供の矯正が1期治療40万円、2期治療40万円のイメージです。

この割合も矯正歯科ごとに違いますが、大きくずれる事はないと思います。

どちらにしても費用は高額なので、月々の支払いを抑えたい場合は、デンタルローンを組むことも可能です。


《関連情報》矯正歯科でデンタルローン受ける際の悩み9選!


また、大事なのが矯正処置料です。

この矯正処置料というのは、毎月先生が調整する際に発生する費用です。

この矯正処置料も医院ごとに違いますが、1期治療の目安が3千円から5千円、2期治療の目安が5千円から1万円でしょうか。

この矯正処置料が毎月加算されますので、思ったより費用がかかってしまうこともあります。

矯正処置料が5千円として、毎月4年間通うと24万円になりますから、バカになりません。

ただし、当院もそうですが、矯正処置料は医院によっては、矯正料金に含まれている場合がありますのでしっかり確認しましょう。


《関連情報》矯正の費用は医院によって3種類の支払い方法があります

 

6.子供の矯正と大人の矯正は医療費控除は可能?



大人の矯正でも子供の矯正でも、医療費控除は受けることができます。

この医療費控除は、収入によって還付される金額は変わりますが、必ずした方がお得です。

医療費控除は10万円以上になりますが、矯正治療は高額ですので対象となります。

そのため、申告時に、領収書など、支払った証拠となるものは必要ですので捨てずに取っておきましょう。

また万が一、申告を忘れてしまっても、3年間は遡れますのでご安心ください。


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まとめ

子供の矯正は始めると時間がかかります。

ですが、早期に始めることによって、成長を利用できるため、歯を抜かずに治療ができたら、横顔もさらにきれいになります。

そのため、治療期間はかかりますが、メリットはかなり大きいと思います。

費用に関しても、子供からした場合と、大人からした場合はあまり変わらないのでするなら早い方が良いと思います。

ただし、矯正処置料が毎月かかってくる医院は、費用が増えますので確認しましょう。


 

最後までご覧頂きありがとうございました。


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なんでもご相談ください。


日本矯正歯科学会認定医 歯学博士


増田 丈浩