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なぜ八重歯は矯正した方がいいのか?

2020年1月11日

                    

日本矯正歯科学会認定医 歯学博士

増田 丈浩

八重歯の歯並びの治療方法

八重歯の歯並びで悩んでいる人は多いです。

歯を抜いて治そうと考えている人もいるかもしれません。

これは結論から言うと絶対にダメです。

八重歯についてよくある質問をまとめました。

 

1.八重歯とは?

八重歯は乱杭歯とも世間では言われています。


日本では八重歯は可愛い女性の象徴として扱われることが多かったです。

日本人は顔が小さいため歯が顎に収まりきらないことが多いです。

また八重歯は最後に生えてくるため萌出する場所がないと外に飛び出した状態になるのも原因の一つです。

 

2.八重歯のデメリット

 

見た目

やはり一番は笑った際にガタガタが目立つので審美的でないことではないでしょうか。

 

人前に笑えない方も中にはいらっしゃいます。

日本では可愛いとされていても気になる人はたくさんいらっしゃいます。

 

最近では八重歯をわざと作りたいという方もいらっしゃいますが多くの人たちは

キレイに治したいと思われています。

 

口元も八重歯があるとそこだけ膨らんで見えるため嫌がる人も多いです。

 

歯磨きがしにくい


またガタガタが強いと歯磨きがしにくいためどうしても汚れがたまります。

 

それによって徐々に虫歯や歯周病進行していき、気づくと大きな症状に

なってしまうこともしばしばあります。

 

噛み合わせ

噛み合わせにも影響していきます。

 

特に八重歯が目立つ方は基本的に八重歯は下の歯と噛んでいません。

 

これが非常に悪影響を及ぼします。

 

八重歯は噛み合わせに非常に大事な役割を担っています。

 

ですが八重歯が下の歯と噛んでいないので他の歯の負担がどうしても大きくなってしまいます。

 

そうすると奥歯がすり減ってしまったり虫歯の原因にもなってしまいます。

 

また八重歯が機能していないと顎関節症にもなりやすいため注意が必要です。

次の章でもう少し詳しくお話しします。

《関連情報》 矯正治療で顎関節症にならないためには


ただし矯正治療そのものにもリスクはあります。

そのため双方のリスクをリスクを理解した上でメリットがあると感じれば矯正治療をすれば良いと思います。


《関連情報》矯正治療のリスク、デメリット

 

3.八重歯は抜歯していいの?


たまに見かけたり患者さんから質問があるのですが『八重歯を抜いたらダメですか』と言われることがあります。


美容歯科では八重歯を抜歯してセラミックを被せましょうと提案を受けることもあるかもしれません。

結論から言うとこれは絶対にダメです。


関連情報》セラミック矯正のメリット、デメリットとは!?

 

先ほどお伝えしたように八重歯はかみ合わせで非常に大事な要素を持っています。

 

なぜかというと歯ぎしりした際に奥歯が当たらない噛み合わせを作りたいからになります。


『歯ぎしりしても奥歯が当たらない』が本当に大事なのです。


どういう事か図で説明しましょう。

 

こちらは普通に噛んだ状態

 

 

歯ぎしりして横に移動させた状態


わかりますか?


八重歯で歯ぎしりをしており、奥歯が当たっていません。

 

この噛み合わせを作ることが非常に大事なので八重歯を抜歯してはいけない最大の理由になります。

この噛み合わせになると歯の負担が減り、歯の長持ちにつながります。

なので八重歯を抜くことは絶対にしてはいけないのです。

 

4.八重歯を矯正治療で治す方法

ではどのようにして八重歯やガタガタを治すのでしょうか。

ワイヤー矯正、マウスピース矯正(インビザライン )どちらの方法でも治療は可能です。

《関連情報》マウスピース矯正とワイヤー矯正の違いは?

 

『部分矯正で治療できませんか』と言われることもありますが基本的には難しいです。


《関連情報》部分矯正と全体矯正の違いって知っていますか?

 

ガタガタを治すには隙間を作る必要があります。

 

方法としては

 

抜歯

 

前方拡大、側方拡大

 

後方に歯を移動させる

 

歯と歯の間をわずかに削る

 

この4つがあります。

 

順番にご説明します。

 

抜歯

まず抜歯ですがガタガタの度合いが強い場合は抜歯になります。

 

具体的には隙間が14mm以上足らない場合はほぼ抜歯になります。

 

この基準として抜歯をする際は小臼歯を抜歯することが多いのですが小臼歯は

7mmの大きさなので2本抜歯すると14mmになります。

 

《関連情報》 矯正治療に抜歯は必要なの!?

 

前方、側方拡大

前方、側方拡大はできる量が限られます。


そのため拡大のみで八重歯を治すのは無理です。

他の方法と組み合わせる形になります。


側方拡大するには歯を支えている骨があるので骨の厚み以上拡大することは不可能です。

 

骨の厚みから飛び出してしまうと歯茎が下がってしまいます。

 

 

 

子供の場合は成長が利用できるため上の図のような装置を入れることによって大人よりも大きく側方に拡大することが可能です。 

 

前方はある程度出すことは可能ですが前に出すほど歯の軸が悪くなり歯の負担が大きくなるので注意が必要になります。

 

歯の軸が悪くなると矯正歯科治療後に後戻りの原因になってしまいます。


《関連情報》矯正治療後に後戻りした!どうすればいいの?

 

また前歯が前に出ると口元も突出していきます。

 

そうすると元々口元の突出が気になっている人はさらに悪化してしまうので口元の状態も考慮して前に出す量を決めないといけません。 

 

後方に歯を移動する

後ろに歯を移動する場合、平均して2〜3mm程度移動が可能になります。


軽度の八重歯であれば他の方法と組み合わせて治療することも可能です。

ただし歯を後ろに移動させる時は顎間ゴムという患者さんにつけてもらうゴムの使用が必要になります。

 

ゴムの使用ができないと治療が成功しません。

《関連情報》矯正歯科治療で使用するゴムの疑問は全て解決!

 

またセファロというレントゲンやCTを撮影して、骨や親知らずの状態を確認し、歯を後ろに移動できるか診断します。

歯を後ろに移動させるのはインビザラインは非常に得意になります。

 

《関連情報》 インビザラインは歯を抜かない非抜歯が得意!

 

歯と歯の間をわずかに削る

歯と歯の間をバーやヤスリなどを使用して削っていきます。


この歯と歯を削る場合も他の方法と組み合わせることでより効果を発揮します。

ただし削る量はエナメル質の範囲内のため0.5mmが限界となります。

 

この範囲内であれば凍みることもなく基本的には問題ないと言われています。

《関連情報》矯正治療で歯を削るストリッピングのメリットデメリットは?

 

5.抜歯、非抜歯の判定方法

治療する際、どれかを選ぶ、もしくは組み合わせて矯正治療を行います。

 

ただしガタガタ度合いが強いからといって必ず抜歯になるわけではありません。

 

口元の突出がない場合


歯を前方や側方に拡大し、また歯と歯の間をわずかに削ることによって改善できる可能性はあります。


ただし拡大する際は骨の厚みがあることが前提になります。

口元が出ていなければ多少歯を前に出しても大丈夫になります。

口元が突出している場合


拡大があまりできず、前方に歯を動かしてしまうとさらに口元が出てしまい審美的に問題が出るケースは抜歯することが多いです。

 

もちろんこれだけではなく歯の大きさ、歯の軸、骨格、顔貌など総合的に判断して治療方針を立案していきます。

 

抜歯しなくてはいけない症例に対して無理やり並べると後戻りしやすくもなるので注意が必要です。


《関連情報》矯正治療後に後戻りした!どうすればいいの?

 

まとめ

八重歯を治すのは抜歯やセラミックで被せる方法と矯正で治すパターンがあります。

ただし噛み合わせの観点から八重歯を抜歯、セラミックを被せる方法はオススメしません。

もしするのであればデメリットを理解した上でするようにしましょう。


最後までご覧頂きありがとうございました。

名古屋で矯正治療のお悩みがあれば無料矯正相談も受け付けています。

 

なんでもご相談ください。

 

日本矯正歯科学会認定医 歯学博士

 

増田 丈浩