矯正専門医ブログ

なぜ八重歯は矯正した方がいいのか?

:2020年8月16日 :2020年1月11日

                    

日本矯正歯科学会認定医 歯学博士

増田 丈浩

八重歯の歯並びの治療方法

八重歯の歯並びで悩んでいる人は多いです。

歯を抜いて治そうと考えている人も、いるかもしれません。

これは結論から言うと絶対にダメです。

八重歯についてよくある質問をまとめました。

 

1.八重歯とは?



八重歯は乱杭歯とも世間では言われています。


日本では八重歯は可愛い女性の象徴として、扱われることが多かったです。

日本人は顔が小さいため、歯が顎に収まりきらないことが多いです。

また、重歯は最後に生えてくるため、萌出する場所がないと外に飛び出した状態になるのも原因の一つです。

 

2.八重歯のデメリット

 

見た目

やはり、一番は笑った際にガタガタが目立つので、審美的でないことではないでしょうか。

 

人前に笑えない方も中にはいらっしゃいます。


日本では可愛いとされていても、気になる人はたくさんいらっしゃいます。

 

最近では、八重歯をわざと作りたいという方もいらっしゃいますが、多くの人たちはキレイに治したいと思われています。

 

口元も八重歯があると、そこだけ膨らんで見えるため嫌がる人も多いです。

 

歯磨きがしにくい


ガタガタが強いと歯磨きがしにくいため、どうしても汚れがたまります。

汚れがたまると虫歯になります。

虫歯の治すタイミングや矯正中の予防方法などは下記をご参考ください。


《関連情報》矯正と虫歯の関係|いつ虫歯を治すかなど疑問を全てまとめました!

 

また、汚れがたまると虫歯だけではなく、歯周病進行してしまうことがあります。

そうすると、歯をさせている骨が溶けてしまい、歯がグラグラする原因にもなってしまいます。

歯周病は、気づくと大きな症状になってしまうこともしばしばあるので注意が必要です。


《関連情報》矯正治療でおきる歯茎のトラブルは??対策があれば怖くない!

噛み合わせ

噛み合わせにも影響していきます。

 

特に八重歯が目立つ方は、基本的に八重歯は下の歯と噛んでいません。

 

これが非常に悪影響を及ぼします。

 

八重歯は噛み合わせに非常に大事な役割を担っています。

 

ですが、八重歯が下の歯と噛んでいないので、他の歯の負担がどうしても大きくなってしまいます。

 

そうすると奥歯がすり減ってしまったり、虫歯の原因にもなってしまいます。

 

また、八重歯が機能していないと、顎関節症にもなりやすいため注意が必要です。

次の章でもう少し詳しくお話しします。

《関連情報》 矯正治療で顎関節症にならないためには


ただし、矯正治療そのものにもリスクはあります。

そのため、双方のリスクをリスクを理解した上で、メリットがあると感じれば矯正治療をすれば良いと思います。


《関連情報》矯正治療のリスク、デメリット

 

3.八重歯は抜歯せずに残す


たまに見かけたり患者さんから質問があるのですが、『八重歯を抜いたらダメですか』と言われることがあります。


美容歯科では、八重歯を抜歯してセラミックを被せましょうと提案を受けることもあるかもしれません。

結論から言うとこれは絶対にダメです。


関連情報》セラミック矯正のメリット、デメリットとは!?

 

先ほどお伝えしたように、八重歯はかみ合わせで非常に大事な要素を持っています。

 

なぜかというと歯ぎしりした際に奥歯が当たらない噛み合わせを作りたいからになります。


『歯ぎしりしても奥歯が当たらない』が本当に大事なのです。


どういう事か図で説明しましょう。

 

こちらは普通に噛んだ状態

 

 

歯ぎしりして横に移動させた状態


わかりますか?


八重歯で歯ぎしりをしており、奥歯が当たっていません。

 

この噛み合わせを作ることが非常に大事なので、八重歯を抜歯してはいけない最大の理由になります。

この噛み合わせになると歯の負担が減り、歯の長持ちにつながります。

なので八重歯を抜くことは絶対にしてはいけないのです。

 

4.八重歯をマウスピース、ワイヤー矯正で治せる?



ではどのようにして八重歯やガタガタを治すのでしょうか。

ワイヤー矯正、マウスピース矯正(インビザライン )どちらの方法でも治療は可能です。

《関連情報》マウスピース矯正とワイヤー矯正の違いは?

 

マウスピース矯正はいまいち信じられない、という人も実際多いです。

そのような方はマウスピース矯正の効果についてまとめてあるので下記をご参考ください。


《関連情報》インビザラインは効果がある?ない?|疑問に答えます!


審美性を考えて裏側矯正とマウスピース矯正で迷われる方も多いです。

どちらも審美的ですがメリット、デメリットはあります。

下記を参考にしてください。


《関連情報》マウスピース矯正と裏側矯正の違い|どっちを選べばいい?

『部分矯正で治療できませんか』と言われることもありますが、基本的には難しいです。

安易に部分矯正をしてしまうと噛み合わせが崩れますのでご注意ください。


《関連情報》部分矯正と全体矯正の違いって知っていますか?

 

ガタガタを治すには隙間を作る必要があります。

 

方法としては

 

抜歯

 

前方拡大、側方拡大

 

後方に歯を移動させる

 

歯と歯の間をわずかに削る

 

この4つがあります。

 

順番にご説明します。

 

抜歯

まず抜歯ですがガタガタの度合いが強い場合は、抜歯になります。

 

具体的には隙間が14mm以上足らない場合は、ほぼ抜歯になります。

 

この基準として抜歯をする際は、小臼歯を抜歯することが多いのですが、小臼歯は7mmの大きさなので2本抜歯すると14mmになります。

 

《関連情報》 矯正治療に抜歯は必要なの!?

 

前方、側方拡大

前方、側方拡大はできる量が限られます。


そのため拡大のみで八重歯を治すのは無理です。

他の方法と組み合わせる形になります。


側方拡大するには歯を支えている骨があるので、骨の厚み以上拡大することは不可能です。

 

骨の厚みから飛び出してしまうと歯茎が下がってしまいます。

また、前歯を前に出してしまうと唇も前に出ます。

そうすると横顔を見ると口元が突出しているように見えてしまいます。


《関連情報》矯正でEラインや唇が変化するって本当?

 

 

子供の場合は成長が利用できるため、上の図のような装置を入れることによって、大人よりも大きく側方に拡大することが可能です。 

 

前方はある程度出すことは可能ですが、前に出すほど歯の軸が悪くなり、歯の負担が大きくなるので注意が必要になります。

 

歯の軸が悪くなると、矯正歯科治療後に後戻りの原因になってしまいます。


《関連情報》矯正治療後に後戻りした!どうすればいいの?

 

また前歯が前に出ると口元も突出していきます。

 

そうすると、元々口元の突出が気になっている人はさらに悪化してしまうので、口元の状態も考慮して前に出す量を決めないといけません。 

 

後方に歯を移動する

後ろに歯を移動する場合、平均して2〜3mm程度移動が可能になります。


軽度の八重歯であれば、他の方法と組み合わせて治療することも可能です。

ただし、歯を後ろに移動させる時は顎間ゴムという、患者さんにつけてもらうゴムの使用が必要になります。

 

ゴムの使用ができないと治療が成功しません。

《関連情報》矯正歯科治療で使用するゴムの疑問は全て解決!

 

また、セファロというレントゲンやCTを撮影して、骨や親知らずの状態を確認し、歯を後ろに移動できるか診断します。

歯を後ろに移動させるのは、インビザラインは非常に得意になります。

 

《関連情報》 インビザラインは歯を抜かない非抜歯が得意!

 

歯と歯の間をわずかに削る

歯と歯の間をバーやヤスリなどを使用して、削っていきます。


この歯と歯を削る場合も、他の方法と組み合わせることでより効果を発揮します。

ただし、削る量はエナメル質の範囲内のため、0.5mmが限界となります。

 

この範囲内であれば凍みることもなく、基本的には問題ないと言われています。

《関連情報》矯正治療で歯を削るストリッピングのメリットデメリットは?

 

5.八重歯の矯正はゴムを使用する?



八重歯の治療ではゴムを使用するのでしょうか?

症例によっては必要な場合があります。

ゴムを使用しないと綺麗に治らなかったり、治療期間が長くなってしまうことがあります。

そのため先生の指示はしっかり聞いてください。


《関連情報》歯列矯正で使用するゴムってどんなもの?


どうしてもゴムを使用したくない場合は、インプラント矯正を使用すると、ゴムを使用しなくてもいい場合や使用時間が短くなる場合が多いです。


《関連情報》インプラント矯正|目的と疑問をまとめました!

6.抜歯、非抜歯の判定方法

治療する際、どれかを選ぶ、もしくは組み合わせて矯正治療を行います。

 

ただしガタガタ度合いが強いからといって、必ず抜歯になるわけではありません。

 

口元の突出がない場合


歯を前方や側方に拡大し、また歯と歯の間をわずかに削ることによって、改善できる可能性はあります。


ただし拡大する際は骨の厚みがあることが前提になります。

口元が出ていなければ多少歯を前に出しても大丈夫になります。

口元が突出している場合


拡大があまりできず、前方に歯を動かしてしまうとさらに口元が出てしまい、審美的に問題が出るケースは抜歯することが多いです。

 

もちろんこれだけではなく歯の大きさ、歯の軸、骨格、顔貌など総合的に判断して、治療方針を立案していきます。

 

抜歯しなくてはいけない症例に対して無理やり並べると、後戻りしやすくもなるので注意が必要です。


《関連情報》矯正治療後に後戻りした!どうすればいいの?

7.八重歯の矯正治療の期間は?



八重歯の治療期間はどれくらい時間がかかるのでしょうか?

およそ2年から3年をイメージすればいいと思います。

ただし子供の時から治療する場合は、長期になりますが、抜歯する可能性は減ります。


《関連情報》矯正治療の期間はどれくらい?

ただし、始めるタイミングは重要です。

早く初めすぎても無駄に長くなってしまうと子供の負担も増えてしまいます。

適切なタイミングで始めるようにしましょう。


《関連情報》子供の矯正は何歳から?小児矯正のタイミングをまとめました


また矯正治療には期間を短縮する方法があります。

自分でする方法と、医院でする方法の2種類があります。

やはり、治療期間は短いほうがいいと思うので、興味がある方は以下を参照してください。


《関連情報》矯正を短期間に早く終わらせる方法とは!?

8.八重歯の矯正は痛い?

八重歯の矯正は、八重歯の部分の動きが大きいため、痛みが強いと思われるかもしれません。

結論から言うと痛みは変わりません。

ガタガタが強いため、ワイヤーも細いワイヤーを入れるので痛みは変わりません。

また、歯が動く量も1ヶ月に1mm程度なため、どの症例も同じなので痛みの程度は変わらないので安心してください。


《関連情報》歯列矯正って痛いの?痛みは対処できれば怖くない!

9.八重歯の矯正する値段、費用は?



八重歯を治す費用については、自費診療のためそれぞれ費用が違います

矯正の種類、すなわちワイヤ矯正、マウスピース矯正の選択によっても費用が変わる可能性が高いでしょう。

相場というものはありますので、わかりにくい、マウスピース矯正にかかる費用については下記をご参考ください。


《関連情報》インビザラインの費用はどれくらい?|正しい値段を知りましょう


また、医療費控除はできますので、八重歯で矯正治療をする際は、必ず確定申告時に行った方がいいです。

申告すれば、お金が所得税率によって変わりますが、還付されて戻ってきますので非常に大事です。

忘れても、遡ってできますので税務署に確認しましょう。


《関連情報》矯正治療は医療費控除をしないと損します!


また、八重歯の矯正で少しでも費用を安くした場合は、こちらを参考にしてください。

まとめ

八重歯を治すのは、抜歯やセラミックで被せる方法と、矯正で治すパターンがあります。

ただし噛み合わせの観点から八重歯を抜歯、セラミックを被せる方法はオススメしません。

もしするのであればデメリットを理解した上でするようにしましょう。

矯正治療は、期間や費用はかかります。

ですが、矯正することによって得られる様々な効果があります。

八重歯の人は見た目を気にする人が多いですが、機能的な改善も本当に大事になります。

どの様な効果があるが知っておくと、八重歯を治す矯正のモチベーションも上がるでしょう。


《関連情報》矯正治療の効果について|見た目だけではなく様々な効果があります!

 

最後までご覧頂きありがとうございました。

名古屋で矯正治療のお悩みがあれば無料矯正相談も受け付けています。

 

なんでもご相談ください。

 

日本矯正歯科学会認定医 歯学博士

 

増田 丈浩