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なぜインビザラインは歯を抜かない非抜歯の治療が得意なのか!?

2020年1月11日

                   

日本矯正歯科学会認定医 歯学博士

増田 丈浩

インビザラインは歯を抜かない矯正治療が得意です
出っ歯、受け口、ガタガタなど、どのよう治療でも歯を並べる隙間が必要になります。

矯正治療は隙間を利用して綺麗に並べていきます。

 

隙間を作る方法としては

1.抜歯

 

2.側方に拡大する

 

3.歯と歯の間をわずかに削る

 

4.前歯を前に移動させる

 

5.奥歯を後ろに移動させる

 

この5つがあります。

 

ワイヤー矯正、インビザラインはそれぞれ5つの方法で隙間を作ることはできます。

 

ただしワイヤー矯正の場合、奥歯を後ろに移動させるのは少し苦手になります。

 

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一方インビザラインはこの中で5の「奥歯を後ろに移動させる」が非常に得意になります。

奥歯を後ろに移動させて隙間を作り、非抜歯で治療をします。

 

奥歯を後ろに移動させるとはどういうことでしょうか。

 

症例で見ていきましょう。

 

1.出っ歯を非抜歯で矯正する場合

図で見てみましょう。

 

こちらが移動する前の状態です。

 
状態は出っ歯になります。

 

下の図は上の奥歯を少し後ろに移動させた状態になります。

 

一番後ろの奥歯とに隙間が空いているのがお分かりでしょうか。


下図 奥歯を後ろに移動した状態

上から見た図はこのようになります。

下図 移動する前の状態


下図 奥歯を後ろに移動した状態

 

左右の奥歯が後ろに移動しています。

 
これが奥歯を後ろに動かすイメージになります。

 

この症例であれば上の奥歯を後ろに移動させ、作った隙間で出っ歯を治すイメージになります。

 

下の図は順番に奥歯を後ろに移動させ4本目まで終了した状態です。

 

 

あとは前歯を中に入れれば出っ歯の矯正治療は終了になります。

ワイヤー矯正であれば抜歯を考えることもありますがインビザラインであれば非抜歯で行えます。

 

2.受口を非抜歯で矯正治療する場合

受け口の場合は下の奥歯を後ろに移動させていきます。

 

前歯をよくみると噛み合わせが反対になっています。

下図 移動する前の状態

 

下の奥歯が後ろに移動しているのはお分かりでしょうか。

 

下図 下の奥歯を後ろに移動した状態

 
上からみるとこのような状態になっています。

 

下図 移動させる前の状態



下図 下の奥歯を後ろに移動した状態

 

下の奥歯が後ろに移動しています。

 

こちらが全ての歯が移動が終わった状態になります。

 

 

ガタガタをなくすためのスペースは奥歯を後ろに移動させることによって綺麗になりました。

 

3.インビザラインで奥歯を後ろに移動できる量

インビザラインであればどれだけでも歯を後ろに移動できるわけではありません。

 

これらの判断は非常に難しいですがいくつか判断できるポイントがあります。

 

1つは横顔のレントゲン写真であるセファロを撮影して判断していきます。

 
歯を動かすためには骨がないと歯は動きません。

 

そのため歯の後ろに骨があるかどうか確認していきます。

 

もう一つはCT撮影によって判断していきます。

 

CTの方がより確実に判断できます。

 

また後ろに動かす際に親知らずが生えている場合があります。

 

その場合は親知らず生えているということは骨がある証拠ですので問題なく動かすことが可能になります。

 

親知らずが萌出してないようであれば話は変わってきます。

 

その際はレントゲンで骨があるか確認する必要が出てきます。

 

どちらにしても後ろに親知らずがある場合は歯を後ろに動かす際に邪魔になりますので抜歯する必要性が高いです。

 

このように症例によって判断しなくてはいけませんが歯を後ろに移動する量の平均は2〜3mmになることが多いです。

 

歯を後ろに移動させる矯正治療は顎間ゴムといって自分で使用して頂くゴムの使用が必須になります。


《関連情報》歯列矯正で使用するゴムってどんなもの?

 

これらが使用できない患者さんはインプラント矯正といって小さいスクリューを埋入することによってゴムを使用しなくても可能になります。


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4.インビザラインで非抜歯が可能な症例


インビザラインであればどのような症例も抜歯しなくていいというわけではありません。

 

やはり重度の出っ歯やカタガタであれば抜歯しなければ治らないこともあります。

 

抜歯をする場合、基本的には小臼歯を抜歯するのですが小臼歯は1本7mmくらいの大きさになります。

 

2本抜歯すると14mmほどの隙間ができます。

 

そのため14mmほど隙間が必要な症例に対しては抜歯が適応になります。


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一方奥歯を後ろに移動させる場合3mmとすると左右移動させると6mmの隙間が獲得できます。

 

これで矯正治療ができる範囲であれば適応になります。

 

万が一足らない場合は歯と歯の隙間をわずかに削ったり側方に拡大して足らない隙間を獲得していきます。

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また歯を前方に移動させる場合もあります。

 

ただしこの場合は現在の口元の状態が悪くなかったり歯の軸も考えて移動させても問題ない場合のみ行なっていきます。

 

これらの判断は口元や歯の軸、歯の大きさ、骨の状態など様々なものを総合的に判断して治療方針を決定していきます。

 

まとめ

インビザラインの出現によって今まで抜歯をしていた症例も非抜歯でできる症例が増えてきました。

これは歯を後ろに移動させるのが非常に得意だからです。

ただし全ての症例で非抜歯で治るわけではなく症例の選択が大事になります。

具体的には奥歯を後ろに移動できない症例は非抜歯は難しくなります。

また子供で乳歯が虫歯などで早期に抜歯になってしまい奥歯が前にきた症例にもインビザラインで治せるので有効です。


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最後までご覧頂きありがとうございました。

 

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日本矯正歯科学会認定医 歯学博士

 

増田 丈浩