矯正専門医ブログ

不正咬合の種類|様々な噛み合わせ

:2020年7月23日 :2019年11月2日

                    

日本矯正歯科学会認定医 歯学博士

増田 丈浩

矯正治療が必要な噛み合わせ
矯正治療が必要な噛み合わせについてお話ししようと思います。

 

ご自身やお子様の噛み合わせを確認し以下に示す噛み合わせの時は注意が必要です。

 

噛み合わせが悪い状態のことを不正咬合と言います。

 

それぞれ詳しくお話ししていきます。

1.狭窄歯列、V字歯列


歯列の幅が狭くなっている状態を言います。

 

幅が狭いとガタガタになりやすいです。

 

歯の幅が狭いと舌の居場所がなくなり舌が喉の方に引っ込んでしまい(舌根沈下)それによって気道が狭くなり、睡眠時無呼吸症候群になる可能性があります。

 

鼻づまり、扁桃腺肥大、口呼吸になることもあるため矯正歯科治療の必要性があります。

 

矯正歯科治療によって拡大することにより舌のスペースが獲得され症状が緩和されることもあります。

 

2.空隙歯列



歯と歯の間が空いている状態を指します。

 

顎が大きかったり歯が小さいと空隙歯列になることがあります。

 

先天的に永久歯がない場合は大きな隙間が空いてしまいます。

 

また舌が大きかったり異常な癖(舌突出癖)があると舌が前歯を押すために隙間が空いてくるでしょう。

 

隙間が空いていると食べ物が詰まりやすかったり、空気が漏れ発音に影響が出る可能性もあります。
 

3.鞍上歯列



下顎に見られることが多いです。

 

小臼歯部分が内側に倒れてしまっている状態です。

 

下顎の劣成長があったり子供の歯が虫歯になり早期に脱落や抜歯になると小臼歯が倒れて萌出し、鞍上歯列となってしまいます。

 

こちらも舌の居場所がなくなるため睡眠時無呼吸症候群、口呼吸、鼻づまりの原因になります。

 

4.正中離開



上の歯の真ん中に隙間がある状態を言います。

 

原因として上唇小帯と呼ばれる細いひも状の位置に異常があったり骨の中に過剰歯と呼ばれる余分な歯があるために隙間が空いて正中離開になっていることもあります。

 

様々な状態がありますがどれもほっておくと悪くなる場合がありますので矯正治療の必要がある場合も多いです。

 

5.上顎前突(出っ歯)



いわゆる出っ歯のことで上顎が下顎に対して前に突き出している状態です。

 
様々な原因があり、遺伝的な要因、つまり上顎が過成長、もしくは下顎の劣成長が考えられます。

子供の時に矯正治療が始めれると抜歯の可能性が減少します。

幼少期の指しゃぶり、舌の悪い癖、口呼吸も原因となります。


《関連情報》子供の出っ歯の矯正治療について|疑問が全て解決します

出っ歯は見た目も悪く、また機能的にも良くないため矯正歯科治療の対象になります。


大人と子供の治療方法は変わってきます。


詳しくは下記を参考にしてください。


《関連情報》出っ歯の矯正|原因から治療法が決まります!

実は、インビザラインでも出っ歯の治療は可能になります。

インビザラインは昔と違い、上手い先生がすれば綺麗に治ります。

なるべく目立たない装置でしたい場合は、下記をご参考ください。


《関連情報》インビザラインで出っ歯は治らない?

6.下顎前突(受け口)



いわゆる受け口のことを言い、上顎より下顎が前に突き出している状態です。

 

原因として上顎の劣成長、下顎の過成長が考えられます。

 

こちらも指しゃぶり、舌の悪い癖も要因となります。

 

下顎前突は、早期に矯正歯科治療をしたほうが良い場合が多いため、早めの矯正相談がオススメです。

矯正治療するタイミングを適切に選択しましょう。


《関連情報》子供の矯正は何歳から?小児矯正のタイミングをまとめました


受け口はひどい状態になると外科矯正といって下顎の骨を切って治す治療になる可能性もあるので注意が必要です。


《関連情報》受け口の歯並びで悩んでる方へ|疑問を解決します

6.上下顎前突(口元が出ている)



上下の歯が前に出ている、もしくは上顎骨、下顎骨共に前に出ている状態をいいます。

この状態だと口元も突出してきます。

女性の人で横顔をキレイにしたい人は多いですが多くはこの噛み合わせになります。

口元が出ていると口が閉じにくく口呼吸になりやすいです。

そのため、たえず口が開いているため鼻炎にもなりやすいでしょう。

上下の歯を抜歯して口元を入れることによって口元がキレイになり、また口も閉じやすくなります。

7.過蓋咬合(噛み合わせが深い)



上の歯と下の歯が噛み合った時に下の歯が見えにくい状態になっていると過蓋咬合になります。

いわゆる噛み合わせが深い状態です。

 

正常値は上の歯が下の歯を覆っている状態が2〜3mmくらいです。

 

これを超えて4mm以上深く噛んでいる状態を過蓋咬合と言います。

 

遺伝的な要因が強いですが早期に歯がなくなる場合も原因になります。

 

過蓋咬合は側方運動といって下の歯を横に動かすことがしにくい状態です。

 

そのため寝ている時に強く噛み締めてしまい、歯が欠けたり顎の症状が出ることもあります。

8.開咬(前歯が噛んでない)



上の歯と下の歯がかみ合わず隙間がある状態を言います。

 

前歯で見られることが多いですが奥歯が噛み合わず隙間がある場合もあります。

 

どんな原因が考えられるでしょうか?

遺伝的な要因もありますが指しゃぶりや舌の悪い癖によってもなることがあります。

 

こちらは前歯が噛んでない場合、奥歯の負担が起きいため将来的に奥歯にトラブルが起きる可能性が高いですので矯正歯科治療の必要性は高いです。

 

また噛む位置も不安定なため顎関節症になることもあります。


《関連情報》矯正治療で顎関節症になることもあるの?

9.交叉咬合(顎がズレている)




上顎の歯と下顎の歯が噛み合った時に奥歯で見ると噛み合わせが反対になっている状態です。

 

通常は上顎の歯が下顎の歯に対して外側にあります。

 

この交叉咬合は下顎の歯が上顎の歯に対して外にある状態を言います。

 

片側だけなっている場合もあれば両方なっている場合もあります。

 

子供の時にこれを放置しておくと顔が歪んでしまうため早期に矯正歯科治療の必要性があります。

 

大人の場合は歪みが大きいと手術して治す場合もあります。

 

原因として頬杖、片側のみでいつも噛んでいる、いつも同じ側で横になって寝る

などがあります。

 

様々な状態がありますがどれもほっておくと悪くなる場合がありますので矯正歯科治療の必要がある場合も多いです。


10.叢生(八重歯)



いわゆるガタガタを言い、歯が重なっていたりでこぼこしている状態です。

 

歯の大きさが大きかったり顎が小さい場合に起きやすいです。

 

歯がガタガタしているため歯ブラシがしにくくなります。

 

そのため歯周病や虫歯のリスクが高くなります。

 

また噛みにくいため咀嚼効率が低下する可能性もあります。

 

ガタガタが強いと良い噛み合わせでないことが多いため奥歯の負担が大きく将来のリスクが高くなります。


《関連情報》下の歯がガタガタになってきた!矯正した方がいいの?

《関連情報》なぜ八重歯は矯正した方がいいのか?

 

まとめ

噛み合わせは様々なパターンがあります。

まずは自分がどの噛み合わせに分類されるか把握することが大事です。

その上でそのままにしておいても大丈夫なのか、矯正治療をした方がいいのか判断しましょう。

そのまま放置しておくとデメリットが多い場合は矯正治療を検討しても良いと思います。

ただし『部分矯正で治療できませんか』と言われることもありますが矯正治療は噛み合わせを治すため全体になる事が多いので部分矯正でできる症例は限られています。。

審美のみを目的とする場合でもリスクはありますので注意しましょう。


《関連情報》部分矯正と全体矯正の違いって知っていますか?

 

ただし矯正治療にはいろいろなリスクも伴います。

理解した上で治療を始めることは非常に大事です。


《関連情報》矯正治療のリスク、デメリット



最後までご覧頂きありがとうございました。

 

名古屋で矯正歯科治療のお悩みがあれば無料矯正相談も受け付けています。

 

なんでもご相談ください。

 

日本矯正歯科学会認定医 歯学博士

 

増田 丈浩