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矯正治療のリスクと対策

2019年10月9日

                    

日本矯正歯科学会認定医 歯学博士

増田 丈浩

矯正歯科治療にリスクはあるの?
今日は大人の矯正治療のリスク、デメリットについてお話ししようと思います。

 

矯正治療は様々な恩恵がありますがもちろんデメリットもあります。

『え、リスクなんてあるの?』

『じゃあどうすればいいの?』

色々な声が聞こえてきそうです。

対策もありますので順番に詳しく説明していきます。

 

1.虫歯、歯周病



矯正装置が入ることにより歯ブラシがしにくくなるため汚れがたまりやすくなります。

 

そのため汚れがたまると虫歯や歯周病が進行してしまうリスクがどうしてもあります。


虫歯、歯周病の対策

来ていただいた際、歯科衛生士が歯ブラシ指導を徹底的に行います。

 

これにより虫歯、歯周病のリスクを減らしていきます。


《関連情報》矯正治療でおきる歯茎のトラブルは??対策があれば怖くない!

 

またあまりに歯ブラシの回数や時間が短く、汚れがひどい方は装置を使用しません。

 

ご自身でしっかり磨けるようになって初めて矯正歯科治療がスタートします。

 

ただしマウスピース矯正(インビザライン )でする場合は装置の取り外しができます。

 

そのため歯磨きはしやすくなるため、歯磨きがしやすくなり虫歯や歯周病のリスクは減ると考えられます。

《関連情報》マウスピース矯正とワイヤー矯正の違いは?


審美性を考えて裏側矯正とマウスピース矯正で迷われる方も多いです。

下記を参考にしてください。


《関連情報》マウスピース矯正と裏側矯正の違い|どっちを選べばいい?

2.矯正装置の痛み、違和感



どのような装置を使用してもやはり最初は違和感や痛みがあります。

 

これは人それぞれ程度は違いますが基本的には3日ほどで矯正装置に慣れていきます。

 

中には全く痛みを感じない人もいらっしゃいます。

 

特にブラケットといってワイヤーを使用する装置は痛みや違和感がでやすいです。

また最初は器具に慣れていないため頬や舌、唇に口内炎ができることもあります。


矯正装置の痛みの対策

なるべく痛みが出ないようにブラケット矯正をする際は一番痛みが出にくい最も細いワイヤーを使用し歯にかかる力を最小限にする必要があります。

 

また装置が入った際もすぐに矯正力をかけるのではなくまずは矯正装置の違和感に慣れてから力をかけるよう配慮しております。

器具がぶつかって口内炎ができてしまった際はワックスを置いてカバーすると痛みが和らぎます。


《関連情報》矯正歯科治療の痛みを全てまとめました。対処法もあります!

3.話しにくい



矯正装置がつくと話しにくくなります。

特に裏側に装置がつく時に感じます。

話す時は舌を動かすため装置が裏側にあるとぶつかるからです。

特にサ行、タ行、ラ行が話しにくくなることが多いです。

話しにくい時の対策

最初はやはり装置がつくと話しにくいです。

ただし時間が経つと慣れてきますのでうまく話せるようになります。

またどうしても気になる人はマウスピース矯正をすると裏側に装置がつかないため話しにくさはほとんどありません。

 

4.顎関節症状



顎関節は頭に宙吊りでぶら下がっているため不安定になっています。

 

そのため矯正治療によって歯が動くことにより噛み合わせが日々変化していきます。

 

それにより顎が開かなくなったり、痛みを生じる可能性があります。

また部分矯正をすると噛み合わせがの治療はできないため顎関節症になる可能性があります。


《関連情報》部分矯正と全体矯正の違いって知っていますか?

 

顎関節の対策

顎関節症は矯正歯科治療治療を始める前の診断が非常に大事になります。

 

顎関節をしっかり診断し、状態が悪ければまず先に顎関節から治療をするようにしていき極力矯正歯科治療中に顎関節症が発症しないようにしていきます。

 

治療としてはスプリントを使用して現在の噛み合わせをスプリント上で良い噛み合わせを与えて顎にかかる負担を減らしていきます。

 

また生活習慣などとも大きく関わってくるためこちらも指導する必要があります。

例えば頬杖や寝る姿勢によっても顎の負担がかかってしまいます。

 

《関連情報》 矯正治療で顎関節症にならないようにするには

 

5.歯根吸収



矯正歯科治療することにより歯根が吸収し、短くなることがあります。

 

乳歯が抜けて永久歯が生えてすぐに力を加えるとより短くなることがあります。

理由としては萌出してすぐの永久歯はまだ完全に根っこが完成していません。

そのため早期に力をかけると根っこが曲がってしまったり短くなってしまいます。

 

歯根吸収の対策

急激に強い力を歯に対して与えると歯の根っこが吸収する可能性が強くなるためできる限り弱い力で行う必要性があります。

 

また永久歯が生えたばかりの時はワイヤーはつけず力があまりかからないような工夫をする必要があります。

 
そのため小学校低学年でワイヤーをつけて歯を動かすのはおすすめではありません。

またインビザライン であれば一度に動かす移動量は少ないため歯にかかる負担は少ないとはいわれています。

 

6.歯茎が下がる、歯の隙間が空く



歯周病で骨が溶けてしまっている人はその状態で歯を動かすとさらに炎症が広がり歯茎が下がってしまうことがあります。

またガタガタがあって矯正治療をするとキレイに並びますが今まで歯が重なっていたので気づかなかった歯と歯の間が空いてしまうことがあります。

この状態をブラックトライアングルと言います。

ただし隙間が開いた状態は異常ではないので問題はありません。

歯茎、歯の隙間の対策

まずは矯正治療を始める前に歯周病の検査をします。

検査の結果、歯周病があればまずは歯周病の治療をしてから矯正治療を始めれば歯茎が下がるリスクが抑えられます。

また歯の隙間が空いてしまう場合はストリッピングといって歯と歯の間をわずかに削るとこの隙間が減少しますので気になる人には行います。


上図は削る前です。

歯と歯の間に隙間があります。


上図は歯と歯の間を削った状態です。

隙間が減ったのがお分かりでしょうか。


《関連情報》矯正治療で歯を削るストリッピングのメリットデメリットは?

7.歯髄炎



歯を移動させると神経に触るような痛みやズキズキする可能性があります。

これは歯を動かすことによって歯の中の神経が歯髄炎になったり場合によっては神経が死んでしまうこともあります。

歯の神経が死んでしまうと神経の治療が必要になります。

そのまま置いておくと歯の色が変色することもあります。

歯髄炎の対策

まずは矯正治療をする際に強い力をかけないことが非常に大事になります。

力が強いと歯髄炎の症状が起きてしまいます。

また歯髄炎になる原因として骨のないところに歯を無理に動かそうとすると起きてしまいます。

そのため無理のない正確な治療計画が重要になります。

8.歯がすり減ったりヒビが入る



矯正装置が入るとだんだん歯が動いてきます。

そうすると日々噛み合わせが変わっていきます。

それによって治療過程で歯が強くぶつかったりすることが出てきます。

その時に歯がすり減ったりヒビが入ることがあります。

歯のすり減り、ヒビの対策

矯正治療する上で日々噛み合わせが変わることは防ぎようがありません。

対策としてはマウスピース矯正を選択すれば歯の表面が覆われているのですり減ることはありません。


ただしすり減りやヒビは矯正治療をしてない場合でもご飯を食べたり歯ぎしりによって起きる可能性があリます。

9.抜歯する可能性がある



矯正治療はできれば歯を抜かずに治療を行います。

しかしガタガタが強かったり出っ歯が著しく大きいと歯を抜く可能性が出てきます。


抜歯の対策

抜歯か非抜歯の判断を正確にする必要があります。


正確な診断ができていないと非抜歯で治る症例も抜歯で治す先生もいるかもしれません。

ただし抜歯の症例を無理に非抜歯て並べると様々な弊害が出るので注意が必要です。


《関連情報》矯正で抜歯は必要なの!?

またインビザライン というマウスピース矯正は歯を後ろに移動させるのが非常に得意になります。

この『歯を後ろに移動させる』ことによって抜歯になる症例が昔よりだいぶ減りました。


《関連情報》なぜインビザラインは歯を抜かない非抜歯の治療が得意なのか!?

10.治療期間が長い



矯正の期間は長く、年単位になります。

大体2年から3年でしょうか。

また人によっては歯の動きが遅い人もいるので予定より期間が長くなる人もいます。

セラミック矯正は治療期間は短いですがリスクが高い治療になります。


《関連情報》セラミック矯正のメリット、デメリットとは!?

長い治療期間の対策

治療期間を短くするには患者さんが使用するゴムや装置をしっかり使用することが大事です。

ゴムの使用をサボってしまうと期間が長くなったり治療ゴールが下がってしまいます。


《関連情報》歯列矯正で使用するゴムってどんなもの?

またワイヤー矯正でインプラント矯正というものがあります。

インプラント矯正ができる症例であれば使用すると治療期間が短くなりますので検討してみても良いかかもしれません。


《関連情報》インプラント矯正|目的と疑問をまとめました!


また矯正治療の期間を短くする方法はいくつかあります。

興味ある人はご覧ください。


《関連情報》矯正を短期間に早く終わらせる方法とは!?

11.外科矯正



症例によってはワイヤー矯正やマウスピース矯正だけでは直せない場合もあります。

その際は外科矯正といって上顎骨もしくは下顎骨を切って治療を行います。

顎が左右にズレており顔が曲がっている人、著しい出っ歯や受け口の場合は対象になる可能性があります。

外科矯正の対策

外科矯正はどうしても入院や痛みが伴います。

ただしその分骨格から治療ができるためより良いゴールを目指すことができます。

どうしても外科矯正がしたくない場合は歯のみで治療を行います。

ただし治療のゴールが下がってしまうためしっかり先生に相談してどこが変わってどこが変わらないかを確認しましょう。

12.後戻り



矯正歯科治療後は歯は元にあった場所に戻ろうとします。

 

特に移動量が大きいと戻る量も大きくなります。  

ガタガタが強かった人はガタガタになりやすいです。

 
一方抜歯した場合は隙間が空いてくることもあります。


《関連情報》矯正治療後に後戻りした!どうすればいいの?

 

後戻りの対策

装置除去後にはリテーナー(保定装置)で後戻りを最小限にしていきます。

 

保定装置は固定式と取り外し式の2種類があります。

 

装着期間はおよそ2年から3年になります。

保定は非常に大事でこの装置を使用しないと簡単に後戻りしてしまいます。

 

《関連情報》矯正治療後の保定装置(リテーナー)の悩みが全てがわかる!

 

まとめ

矯正治療には様々なリスク、デメリットがあります。

ただしどれも対策がありそこまで悲観的になるものではありません。

メリットとデメリットをしっかり検討してメリットが大きい場合に矯正歯科治療をすればいいです。

矯正の最大のメリットは見た目もキレイになりますが歯が長持ちすることになります。

そのため矯正治療は最大の予防歯科と言われています。


最後までご覧頂きありがとうございました。

名古屋で矯正治療のお悩みがあれば無料矯正相談も受け付けています。

 

なんでもご相談ください。

 

日本矯正歯科学会認定医 歯学博士

 

増田 丈浩